三宅乱丈という漫画家がいる。
モーニングに連載していた『ぶっせん』や、ビッグコミックスピリッツで連載していた『ペット』を知っている人も多いだろう。




彼女が今「コミックビーム」で連載しているのが『イムリ』だ。










『イムリ』は壮大なSFファンタジーで、面白く読んでるんだが、なにしろ
設定が複雑で困る。そこで今回は『イムリ』の設定を、大きくネタバレしない程度に図で説明してみる。
舞台は、とある宇宙にある2つの星。「マージ」と「ルーン」だ。そしてそこには3つの種族が暮らしている。「カーマ」、「イコル」、「イムリ」だ。

それぞれの関係。カーマの民とイコルの民はマージ星に、イムリの民はルーン星に住んでいる。カーマの民はイコルの民を奴隷として支配している。イムリの民はカーマの民に友好的で、カーマの民のほとんどもイムリの民には友好的だが、カーマの民の一部階級はイムリの民を恐れているようだ。

今は2つの星に分かれて住んでいるが、4000年前まではみんなルーン星に住んでいた。ところが、4000年前にルーン星で大戦争が勃発したのだ。カーマ&イコルとイムリの戦いだ。

そしてその戦いの結果、カーマの民はルーン星を凍結して(どうやって凍結したのかは明らかにされていない)、イコルの民とともに近隣のマージ星に移住したと伝えられている。

ところで、この物語で重要な設定に、カーマの民が「光彩」と呼んでいるエネルギーがある。「光彩」とはいろんなものが内に秘めているエネルギーで、まあ平たく言えば「気」みたいなものだ。生物が光彩を持つだけではなく、無生物も光彩を持つし、星も持っている。

カーマの民はこの光彩を使った「侵犯術」という技を持っている。侵犯術とは、相手の光彩を強制的に引き出して操作することで、相手を意のままに支配する技である。この技は強力なので、階級の高い者しか使うことを許されていない。

そんなカーマの民は侵犯術以外にも光彩を応用した技術を使って文明を築き上げている。しかし、カーマの民の技術を安定して使うにはマージ星が持つ光彩は邪魔だったらしく、カーマの民は4000年の間にマージ星の光彩を「浄化」(無効化)した。
そうすると困ったことが起きた。カーマの民に子が生まれなくなってしまったのだ。このままではカーマの民は滅亡してしまう。カーマの民が子を残すためには、光彩が浄化されていないルーン星で子を宿す必要がある。

というわけで、カーマの民は再びルーンに戻ろうとしている。もうすでに一部の者たちはルーンに住み、凍っていた大地の開拓を進めている。

これで説明は全部終わりかというと
ぜんぜんそんなことはない。カーマの民は厳しい階級制度をしいているのだが、カーマの民の中には
激しい権力争いが巻き起こっているのだ。これがまたややこしいのだけども省略する。
最後になったけど、この漫画の主人公は、カーマの民の「呪師」(かなり高い身分)の子である少年だ。強い力を持ち、学校で侵犯術を学んでいる。そんな少年が研修旅行でルーン星に渡り……という感じ。
『イムリ』の設定は複雑だけど、ここまで把握しておけばすんなり読めるはず。とても面白い漫画なので、一度読んでみるといいだろう。っていうか、
ここまで長い説明を読んだんだから、漫画も読まないと時間の損じゃないかな。